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2008/11/11

Cup of China 2008 女子レビュー (キムヨナのフリップジャンプについて)

2008年GPシリーズ中国大会で、キムヨナは初めてフリップジャンプでWrongEdgeの判定を受けました。昨シーズンよりフリップジャンプとルッツジャンプ違いを明確化する目的で、踏み切り時のエッジが正しいかどうかをジャッジが判断するようになりました。

基本的にフリップは左足のインサイドエッジに乗った状態で踏み切り、ルッツは左足のアウトサイドエッジに乗った状態で踏み切ります。

詳しくはココを参照のこと。


キムヨナのフリップジャンプは、「踏み切り時にアウトサイドエッジに乗っているように見える」と一部フィギュアマニアの間で物議をかもしていましたが、昨シーズンは一度も間違ったエッジであると判定されたことはありませんでした。

浅田真央は正しいルッツジャンプが跳べない(インエッジに乗ってしまう)ので、昨シーズンは全試合でWrongEdgeと判定され、GOE-1から-2の評価を受けています。


今シーズンからは判定が細かくなり、間違ったエッジに乗っている時間が長い場合、または明らかに間違ったエッジで踏み切った場合は「e」、間違ったエッジに乗っている時間が一瞬の場合、または微妙な場合は「!」記号を用い、「e」の場合はGOEを-1から-3、必ずマイナス評価すること、「!」の場合は各ジャッジの裁量に任せると規定されています。


今回のカップオブチャイナのショートプログラムでは、キムヨナのフリップジャンプに対して、「e」=踏み切り時に明らかにアウトエッジに乗っていると判定されました。しかしながら、「e」判定の場合は必ずマイナス評価しなければならないと決められているにもかかわらず、GOE「0」の評価をしたジャッジと「+1」の評価をしたジャッジがいました。
これは「テクニカルコントローラー(スペシャリスト)さん、明らかなWrongEdgeという判定はおかしいんじゃないの!?」という意思表示だと思われます。

他のジャッジは全員GOE-1で、-2以下の評価をしたジャッジはいません。
これは「テクニカルコントローラー(スペシャリスト)がWrongEdgeと言うなら、仕方なく従いましょう。でも明らかなWrongEdgeには見えなかったけどなぁ。」という感じではないでしょうか。


ショートプログラムでのキムヨナのフリップジャンプの静止画像をキャプチャーしました。

この時点ではインエッジに乗っているように見えます。
Kimyuna_0811

この時点でもインエッジに乗っているように見えます。
Kimyuna_0812

この踏み切りの瞬間はフラットであるように見えます。
Kimyuna_0813

なので、本来であれば明らかなWrongEdgeではなく微妙なところということで、「!」判定であるべき。
ちなみにISU(国際スケート連盟)の公式HPでは、このジャンプを「Kim hit an excellent triple flip-triple toeloop combination」と大変すばらしいコンビネーションジャンプと書いています。


フリースケーティングのフリップジャンプもキャプチャーしました。
こちらの方が分かり易いです。

この時点では明らかにインエッジに乗っています。
Kimyuna_0814

この時点でも明らかにインエッジに乗っています。
Kimyuna_0815

踏み切り時でもインエッジに乗っているように見えます。
Kimyuna_0816

しかしながら、このジャンプは「!」の判定を受けました。
GOEは+1と+2の評価が多いので、WrongEdgeではないと判断したジャッジがほとんどなのだと思われます。


この前も書きましたが、オレはキムヨナのスケーティングが好きなので、ひいき目に見てしまうのかもしれません。逆に好きでない人は悪く評価することも考えられます。

テクニカルコントローラーおよびテクニカルスペシャリストの技術審判は短時間で演技要素の種類とレベルを判断しなければなりません。なので、個人的な好き嫌いが影響を及ぼすこともあるかと思います。

フィギュアスケートは時間や距離など具体的な数字で評価されるものではなく、あくまでも人間の主観で評価されるので、野球やサッカーの審判と同様に誤審や意図的な+-評価も起こり得ます。ただし、GOEやPCSは最高点と最低点を除いた平均値を取っており、なるべく公正な結果となるように考慮されています。


今回、フリップジャンプで悪い評価を受けましたが、キムヨナが素晴らしい演技をしたことには変わりありません。圧倒的な点差で優勝しました。フリーではスピンとスパイラルシーケンスは全てレベル4の評価を得ています。ステップもレベル4を与えて良いのはないかと思うくらいです。浅田真央の今期の調子が分かりませんが、地元韓国開催となるGPファイナルでも優勝する可能性が高いと思います。


安藤美姫は今回、表情がすごく良く、スピードもありました。やはり4回転は置いといて、他の技術を磨いた方が良いと思われます。ただし、彼女は3回転ルッツ+3回転ループのコンビネーションも跳べるので、GPファイナルに出場した場合、もしかすると4回転サルコウ&3回転+3回転のコンビネーションを2回跳ぶということもあり得ます。というか、そうでもしない限り、今のキムヨナや浅田真央を追い抜くことは不可能でしょう。




Kimyuna_0817
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Kimyuna_0820
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GPファイナル出場選手の予想は早くもハズレそうな感じです。キムヨナ、浅田真央、中野友加里は堅いと思いますが、あとの三名は、スケートカナダで優勝したジョアニー・ロシェット、スケートカナダで2位になった村主章枝、そして安藤美姫の可能性が高いです。

ところで、スケートカナダで足換えのコンビネーションスピンを2度行なってしまうという失態を演じた村主章枝。どちらかをフライングにしなければいけなかったのに。もともとそういうプログラムだった訳ないだろうし、なんでこんな不可思議なミスを犯してしまったのだろうか?

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コメント

キム・ヨナ選手、素晴らしい演技でしたね(^^)
でもカピバラさん、エッジの見方を理解されてないのかな?
↓をご参照下さい。アウトとインの足の向きが分かりやすく表示されてます。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=107041&servcode=600&sectcode=600

上の画像はどちらもアウトに乗ってるようにしか見えませんが???

投稿: バナナ | 2008/11/12 16:17

バナナさま、コメントありがとうございます。


貼付して下さったサイトも一応拝見しましたが、エッジの見方は正しく理解しています。IN/OUTの英語の意味を知らない人以外は普通に分かることだと思います。


どちらも明らかにアウトに乗っているようにしか見えない、つまりSPもFSも「e」判定であるべきだと仰っているのですよね。


この記事に載せた画像を見るかぎりでは、私はSPでは踏み切り時にフラット、FSではインエッジに乗っているように見えます。


イ・ジヒ国際審判もSPのフリップジャンプについて「注意程度で十分だが、ロングエッジの判定はちょっと厳しい。私がその場にいたならば抗議しているだろう」とコメントしているので、明らかなWrongEdgeではないのだと思われます。


異論を唱えるジャッジもいたくらいですから、きっと人によってどちらとも取れる微妙な角度なのでしょう。


来シーズンからは360度全方向にカメラを設置して、全てのジャンプを正面から撮影できるようにして、スロー再生で厳密に判定した方が良いのかもしれませんね。
もしくは全選手のシューズにセンサーを付けて、エッジの向きを正確に測定できるようにするとか。


なお、私はカピバラさんではなく「たーさん」と申します。

投稿: たーさん | 2008/11/12 20:56

「たーさん」さん、失礼いたしました。
来シーズンを待たなくともこちらで確認できますよ。http://www.youtube.com/watch?v=iqHdggKhjHc


投稿: バナナ | 2008/11/13 02:08

バナナ様、Youtubeの動画も拝見させて戴きました。


SkateAmericaの演技は細かくチェックしていなかったので初めて見ましたが、確かに踏み切り時に一瞬アウトエッジに乗っていますね。しかしながら、乗っている時間が短いので「!」であるべきだと思います。(プロトコルは「e」でも「!」でもありませんが)


脚や足首の角度は問題ではありません。どちらのエッジに乗っているかです。CupOfChinaのSPはこの動画でもフラットにしか見えません。私がキャプチャーしたのと同じ映像だと思われます。


たぶんキムヨナが好きなので、そう見えてしまうのでしょう。
しかしながら、浅田真央にしろ、キムヨナにしろ、正しいルッツやフリップが跳べないからと言って、しょぼい演技には見えないので、多少減点されてもご愛嬌かなと思います。


GPファイナルでは今回の騒動に囚われることなく、これまで通りの演技をしてもらいたいです。ただし万一「e」判定でもしようものなら、技術審判は無事に会場を出られないかもしれませんね。wink

投稿: たーさん | 2008/11/13 02:56

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