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2011/09/23

人工衛星「UARS」の落下について心配するのは杞憂か

NASAの上層大気観測衛星(Upper Atmosphere Research Satellite: UARS)は、2011年9月24日(日本時間)に大気圏に再突入することが予測されています。

その際、大気圏において衛星が全て燃え尽きず、日本を含む世界中の広い地域(北緯57度~南緯57度まで)において、一部の部品が地上に落下する可能性が高いと言われています。


NASAはUARSの危険性について次のように述べています。

UARS Casualty Risk Assessment
- NASA conducted a detailed reentry risk assessment for UARS in 2002.
- Number of potentially hazardous objects expected to survive: 26
- Total mass of objects expected to survive: 532 kg
- Estimated human casualty risk (updated to 2011): ~ 1 in 3200

地上に落下すると思われる部品は26個で、詳細は以下の通り。
Uars_01

一番重い部品は約160kgで、各部品の重量を合計すると、532kgになる見込み。

予想される人的被害の可能性は、3200分の1。


UARSの落下に関して藤村修官房長官は、「日本周辺地域に落下し、国民に被害が出る可能性は極めて小さいと考えている。普段通りの生活を送っていただきたい」と述べたそうです。

この通りに発言したとすると、いかにも「日本周辺地域に落下する可能性が小さい」ように聴こえますが、NASAは「北緯57度から南緯57度までのどこか」としか言っていません。

地図の黄色のエリアであれば、どこに落ちる確率も同じです。
Worldmap57_02s


また、NASAによると、「宇宙時代が始まった1950年代後半以来、大気圏へ再突入した物体により、人が負傷したという報告は確認されておらず、衛星の再突入による財産への深刻な被害も報告されていない。」とのこと。

しかしながら、「これまでなかったから、これからもない」という保証はありません。東日本大震災では想定外の大津波で一万人以上の方が亡くなりました。


「3200分の1」という数値。
交通事故に遭う確率の方が高いと主張する人もいますが、交通事故は注意すればある程度防げます。

人間が生活するエリアに落下する可能性はどのくらいなのでしょうか?

人にあたらなくても、たとえば原発や燃料保管施設に落下すれば大きな事故になり得ます。航空機や列車に衝突した場合にも多くの死傷者が出る可能性があります。


落ちて来るときのことを考えずに衛星を打ち上げた人間の気が知れません。制御不能と言いながら、実はアメリカ合衆国には落ちないように制御できるのではないかと疑いたくなります。


とにかく、船舶のいない海に落下することを切に願います。


<追伸1>
UARSの軌道データ

文部科学省 MEXT @Facebook

上記文科省Facebookの記事『NASA Update#9に基づく米国衛星UARSの再突入予測期間の地上軌跡』には、
「注1 : NASAのUpdate#9には、"衛星は北アメリカを通らないであろう"としていますが、その理由は不明です。」
と書かれていますが、非常に興味深い記述です。

やはり、北米を通るタイミングでは大気圏に再突入しないように操作しているということでしょうか。NASAは日本時間9月23日11時01分(Update#9)以降、UARSに関する情報を更新していません。アメリカ合衆国には落下しないようにしたので、もう更新する気がないということかもしれません。


<追伸2 9/24 12:20>
NASAが11時50分に発表したUpdate#12によると、大気圏再突入は日本時間24日12時45分から13時45分の間の見込み。この時間にUARSは、カナダとアフリカを含む太平洋・大西洋・インド洋を通る軌道にあります。

この軌道だと、海と陸に落ちる確率は五分五分に近い感じ。部品の落下は幅800kmに渡ると予想されているので、カナダもしくはアフリカのどこかに落ちる可能性も高そうです。

Uars_02


<追伸3 9/24 15:00>
UARSはまだ大気圏に再突入していないと思われます。
上記軌道上のほとんどの地域は夜なので、予測通りに再突入していれば、衛星が燃える光の目撃報告があるはず。また、現時点では部品落下の報告もありません。
NASAでは再突入の時間・場所について再確認中とのこと。


<追伸4 9/24 18:00>
NASAは、UARSは日本時間9月24日12時23分から14時09分の間に地球へ落下したと発表しました。部品(破片)の落下地点はまだ定かではないとのこと。

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