« 2016年ISUフィギュアスケート・グランプリ開幕 | トップページ | 2016年スケートカナダで宮原知子のステップはなぜ0点と判定されたのか »

2016/10/23

2016年スケートアメリカ3位三原舞依が抱える病気「若年性特発性関節炎」について

2016年ISUフィギュアスケートグランプリ第1戦アメリカ大会(スケートアメリカ)女子で、シニアGPシリーズ初参戦ながら3位表彰台という素晴らしいデビューを飾った三原舞依。


昨シーズン、ジュニアグランプリでは2位2回でファイナル進出。全日本ジュニアでは8位、Jr.GPファイナルは6位という結果で、全日本選手権で他のジュニア選手が躍進したこともあり、卓越した選手という印象はありませんでした。

しかしながら、今年9月に行われたネーベルホルン杯で優勝。得点も189.03pointsと高く、演技内容も良かったので、「この一年でかなり成長しているなぁ」と注目しておりました。


スケートアメリカでの活躍を報じるニュースで、昨年12月に「若年性特発性関節炎」を発症し、4ヶ月間氷上での練習ができなかったということを知り、この病気について調べたところ、私が罹患した関節リウマチと同じような疾患であると判り、驚きました。


若年性特発性関節炎は、以前は「若年性関節リウマチ」と呼ばれていましたが、厳密に言うと関節リウマチとは異なる病気とされているようです。16歳未満(※)の子供に発症する慢性関節炎で、発症率は小児の人口10万人あたり約8人。大きく分けて、全身型、関節型、症候性慢性関節炎の三つに分類されますが、三原舞依が罹患したのは関節型と思われます。

昨年のジュニアGPファイナルで両膝に激しい痛みを感じて、帰国後に検査したところ、若年性特発性関節炎と診断されました。バルセロナのホテルでは、朝ベッドから起き上がることも難しい状態だったそうですが、これは慢性関節炎特有の「朝のこわばり」と呼ばれる症状で、全身の関節が錆び付いたように固くなり、しばらく起き上がることができなくなります。

あくまでも関節リウマチの経験からの推測ですが、この時期に「朝のこわばり」が起きていたということは、もっと以前から膝(関節)の痛みを感じていたと思われます。遅くとも11月上旬くらいには顕著な症状が現れていたのではないでしょうか。そう考えると、全日本ジュニアの得点がジュニアGPよりも20点近く低かったこともうなずけます。


「病気を乗り越えて」と表現しているニュースが多いので、完治したと思っている人もいるかもしれませんが、半年程度で完治する病気ではなく、今も病気を抱えたままの状態です。詳しい報道によると、月に一回の点滴投与を受けており、今でも関節が痛むことがあるため、一日の練習時間は3~4時間程度とのこと。

症状がひどい時には関節の痛みで夜も眠れなかったと思います。「もうフィギュアスケートはできないのではないか」と悲観したこともあったと思います。

この病気に罹患して、関節に負担の大きいフィギュアスケートを日本代表レベルで本格的に取り組むことは医師に止められるところだと思われますが、「もう一度リンクに立って世界を目指したい」という強い思いと断念した際の心身へのマイナス影響を考慮して、無理のない範囲で復帰することが認められたのだと考えます。

懸命にリハビリや関節周りの筋肉強化に励み、練習時間も制限されたにもかかわらず、ジュニアからシニアにステップアップして国際大会に出場し、優勝や表彰台という結果を出したことには感服させられます。同じ病気に罹患した子供たちにとっても、きっと励みになることでしょう。


点滴投与を続けている限り症状が悪化することはないと思いますが、長期に渡り病気を抱えながら選手生活を送ることになります。一日でも早く完治・寛解することを願いながら、三原舞依選手を応援して行きたいと思います。


(※16歳未満という定義および治療法などの詳細は姉妹サイト「Battle with Rheumatoid Arthritis」で言及する予定です。)

|

« 2016年ISUフィギュアスケート・グランプリ開幕 | トップページ | 2016年スケートカナダで宮原知子のステップはなぜ0点と判定されたのか »

フィギュアスケート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 2016年ISUフィギュアスケート・グランプリ開幕 | トップページ | 2016年スケートカナダで宮原知子のステップはなぜ0点と判定されたのか »