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2016年10月

2016/10/31

2016年スケートカナダで宮原知子のステップはなぜ0点と判定されたのか

2016年グランプリシリース第2戦カナダ大会(スケートカナダ)フリースケーティングにおいて、宮原知子のステップ・シークェンスがレベルゼロ(無価値)と判定され0点でした。


以前の記事に書きましたが、2014年GPフランス大会で今井遥が同様に0点と判定されたのと同じミスのようです。


端的に言うと、ステップを行った距離が短い(範囲が狭い)ということで無価値と判断されたのだと思われます。


ISUテクニカルパネルハンドブック のステップ・シークェンスには以下のような記述があります。
「ステップ・シークェンスにはもはや要求されるパターンはないが、氷面を十分に活用していな ければならない。ステップ・シークェンスは目に見えて確認でき、氷面のほぼ全体を活用して 行われなければならず、短辺フェンスから短辺フェンスへの長さを 1 回(例えば、ストレート・ ライン、サーペンタインまたは類似の形状)または長辺フェンスから長辺フェンスへの幅を 2 回(例えば、サーキュラー(円、楕円)または類似の形状)活用しなければならない。上記が達成されない場合は無価値となる。


宮原知子がステップを開始した位置は、氷の下に描かれているISUマークよりもさらに内側であったように見えました。短辺フェンスからかなり離れた位置から開始したことで、氷面を十分に活用していないとみなされたのでしょう。


上述の規定は本人もコーチも承知のはずですが、許容範囲であると思い込んでいたのかもしれません。


今後は直前のスピンが終わったら短辺フェンスの近くまで滑ってからステップを開始するか、スピンの位置をもっと短辺フェンス寄りにすべきだと思います。


サーキュラーで開始位置と終了位置が離れていて、ちゃんと円を描いていない選手もしばしば見られますが、それで無価値という判定を見た記憶がありません。ストレート・ ライン、サーペンタインは厳しく判定されて、サーキュラーに関しては甘いような気がします。


<2016.11.26 追伸>
宮原知子のステップはストレートラインまたはサーペンタインだと思っていましたが、有効と認められたNHK杯でのステップは「」のような形で、円形ではないものの長辺から長辺の幅を2回という条件を満たすサーキュラーの一種でした。


「サーキュラーで開始位置と終了位置が離れていて、ちゃんと円を描いていない選手もしばしば見られますが」
と書きましたが、円形や楕円形でなくとも、長辺フェンスから長辺フェンスへの幅を 2 回滑り、かつ氷面を十分に活用していれば有効と認められるようです。


続き→「ステップシークエンスの種類・形状について

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2016/10/23

2016年スケートアメリカ3位三原舞依が抱える病気「若年性特発性関節炎」について

2016年ISUフィギュアスケートグランプリ第1戦アメリカ大会(スケートアメリカ)女子で、シニアGPシリーズ初参戦ながら3位表彰台という素晴らしいデビューを飾った三原舞依。


昨シーズン、ジュニアグランプリでは2位2回でファイナル進出。全日本ジュニアでは8位、Jr.GPファイナルは6位という結果で、全日本選手権で他のジュニア選手が躍進したこともあり、卓越した選手という印象はありませんでした。

しかしながら、今年9月に行われたネーベルホルン杯で優勝。得点も189.03pointsと高く、演技内容も良かったので、「この一年でかなり成長しているなぁ」と注目しておりました。


スケートアメリカでの活躍を報じるニュースで、昨年12月に「若年性特発性関節炎」を発症し、4ヶ月間氷上での練習ができなかったということを知り、この病気について調べたところ、私が罹患した関節リウマチと同じような疾患であると判り、驚きました。


若年性特発性関節炎は、以前は「若年性関節リウマチ」と呼ばれていましたが、厳密に言うと関節リウマチとは異なる病気とされているようです。16歳未満(※)の子供に発症する慢性関節炎で、発症率は小児の人口10万人あたり約8人。大きく分けて、全身型、関節型、症候性慢性関節炎の三つに分類されますが、三原舞依が罹患したのは関節型と思われます。

昨年のジュニアGPファイナルで両膝に激しい痛みを感じて、帰国後に検査したところ、若年性特発性関節炎と診断されました。バルセロナのホテルでは、朝ベッドから起き上がることも難しい状態だったそうですが、これは慢性関節炎特有の「朝のこわばり」と呼ばれる症状で、全身の関節が錆び付いたように固くなり、しばらく起き上がることができなくなります。

あくまでも関節リウマチの経験からの推測ですが、この時期に「朝のこわばり」が起きていたということは、もっと以前から膝(関節)の痛みを感じていたと思われます。遅くとも11月上旬くらいには顕著な症状が現れていたのではないでしょうか。そう考えると、全日本ジュニアの得点がジュニアGPよりも20点近く低かったこともうなずけます。


「病気を乗り越えて」と表現しているニュースが多いので、完治したと思っている人もいるかもしれませんが、半年程度で完治する病気ではなく、今も病気を抱えたままの状態です。詳しい報道によると、月に一回の点滴投与を受けており、今でも関節が痛むことがあるため、一日の練習時間は3~4時間程度とのこと。

症状がひどい時には関節の痛みで夜も眠れなかったと思います。「もうフィギュアスケートはできないのではないか」と悲観したこともあったと思います。

この病気に罹患して、関節に負担の大きいフィギュアスケートを日本代表レベルで本格的に取り組むことは医師に止められるところだと思われますが、「もう一度リンクに立って世界を目指したい」という強い思いと断念した際の心身へのマイナス影響を考慮して、無理のない範囲で復帰することが認められたのだと考えます。

懸命にリハビリや関節周りの筋肉強化に励み、練習時間も制限されたにもかかわらず、ジュニアからシニアにステップアップして国際大会に出場し、優勝や表彰台という結果を出したことには感服させられます。同じ病気に罹患した子供たちにとっても、きっと励みになることでしょう。


点滴投与を続けている限り症状が悪化することはないと思いますが、長期に渡り病気を抱えながら選手生活を送ることになります。一日でも早く完治・寛解することを願いながら、三原舞依選手を応援して行きたいと思います。


(※16歳未満という定義および治療法などの詳細は姉妹サイト「Battle with Rheumatoid Arthritis」で言及する予定です。)

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2016/10/20

2016年ISUフィギュアスケート・グランプリ開幕

2016年ISUフィギュアスケート・グランプリシリーズ開幕


2016年10月21日-23日
①スケートアメリカ(シカゴ /USA)
 宇野昌磨, 村上大介
 浅田真央, 村上佳菜子, 三原舞依

2016年10月28日-10月30日
②スケートカナダ(ミシサガ /カナダ)
 羽生結弦, 無良崇人
 宮原知子, 本郷理華, 永井優香

2016年11月4日-6日
③ロステレコムカップ(モスクワ /ロシア)
 宇野昌磨, 田中刑事
 村上佳菜子, 松田悠良

2016年11月11日-13日
④トロフィー・ドゥ・フランス(パリ /フランス)
 無良崇人, 山本草太
 浅田真央, 永井優香, 樋口新葉

2016年11月18日-20日
⑤カップオブチャイナ(北京 /中国)
 村上大介
 本郷理華, 三原舞依
 
2016年11月25日-27日
⑥NHK杯(札幌 /日本)
 羽生結弦, 田中刑事, 山本草太
 宮原知子, 樋口新葉, 松田悠良
 
2016年12月8日-11日
ジュニア&シニア グランプリ・ファイナル(マルセイユ /フランス)


今シーズンからフランス大会は「Trophée Eric Bompard」ではなく、「Trophée de France」になったのか。日本語表記は「フランス杯」が一般的だけど、なんとなく嫌なので、「トロフィー・ドゥ・フランス」にします。


各大会のスケジュールや女子の結果は、いつものように「たーさんの気になるBLOG」に掲載します。

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2016/10/10

紀平梨花・坂本花織・本田真凛がファイナル進出@2016年ジュニアGPファイナル

2016年フィギュアスケート・ジュニアグランプリ(シリーズ)全7戦が終了し、ファイナル進出選手が確定しました。


女子は3年連続、ロシア3選手vs日本3選手の対決。
日本からは紀平梨花(14歳)、坂本花織(16歳)、本田真凛(15歳)が出場。


この三名、2016年近畿選手権大会ジュニア女子に揃って出場しています。
近畿恐るべし!

ちなみに本田真凛と紀平梨花は、同じコーチ(濱田美栄/田村岳斗)に師事しており、所属クラブこそ違うものの二人とも関西大学アイスアリーナで練習しています。

結果は、1位紀平梨花(195.18点)、2位本田真凛(195.06点)、3位坂本花織(181.19点)。


ロシア勢は、
アナスタシヤ・グバノワ(13歳)、ポリーナ・ツルスカヤ(15歳)、アリーナ・ザギトワ(14歳)。


アナスタシヤ・グバノワが第7戦ドイツ大会のFSで出した得点129.14 pointsは、ジュニア女子のISU最高記録。

ポリーナ・ツルスカヤは昨年のファイナル優勝者。そのときの総得点195.28 pointsは、ジュニア女子のISU最高記録。今シーズン第4戦ロシア大会SPの得点69.02 pointsは、ジュニア女子のISU最高記録。

アリーナ・ザギトワは、SPだけでなくFSでもジャンプを全て後半に跳ぶという物凄いプログラム構成。


Figure2016jrgpfl


グランプリシリーズの結果としては上位二名が2戦共に優勝していますが、昨年までのようにこの二人が圧倒的に強いという訳ではなく、ファイナルは他の選手にも十分優勝の可能性があります。

2009年の村上佳菜子以来となる日本人選手の優勝に期待したい。


ジュニアグランプリファイナルは、2016年12月8日~11日、フランスのマルセイユで開催。

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