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2016年11月

2016年11月29日 (火)

レミケードとインフルエンザワクチンについて

「レミケード インフルエンザ」で検索して訪れる方がいるので、レミケードの投与を受けている人が
インフルエンザワクチンを接種するタイミングについて書くことにしました。


ご自分の担当医にちゃんと聞いた方が良いと思いますが、私の担当医は「レミケード投与を受けた日
から2週間は開けた方がいい」と言っていました。


周知のこととは思いますが、レミケードは免疫力を低下させるので感染症には十分に注意すべきです。
インフルエンザワクチンも毎年必ず接種するようにしましょう。

2016年11月 1日 (火)

フィギュアスケート三原舞依選手が罹患した「若年性特発性関節炎」

2016年ISUフィギュアスケートグランプリ第1戦アメリカ大会(スケートアメリカ)、
シニアGPシリーズデビュー戦で3位になった三原舞依選手17歳。


昨年12月、激しい膝の痛みや関節のこわばりにより、スケートだけでなく日常生活にも支障を
きたし、詳しく検査したところ「若年性特発性関節炎」と診断されました。


この病気は、以前は若年性関節リウマチなどと呼ばれていました。リウマチ性疾患ではあるが、
(成人の)関節リウマチとは異なる病気として扱われるため、現在では「若年性特発性関節炎」
という名称が定着しています。ちなみに「特発性(とくはつせい)」とは「原因不明の」という意味の
医学用語。


若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis: JIA)は、国際リウマチ学会において、
「16歳の誕生日以前に発症し、少なくとも6週間持続する原因不明の関節炎。他の疾患は
除外する。」と定義されています。


この病気に関するサイトでは、「16歳以下」という記述も見られますが、定義上は「16歳未満」です。


三原舞依選手が若年性特発性関節炎と診断されたのは昨年の12月。誕生日は1999年8月22日で、
12月時点での年齢は16歳4か月。おそらく、この疾患に起因する関節の痛みを最初に感じたのが
誕生日以前であったので、16歳未満という定義に当てはまったのではないでしょうか。


日本における有病率・患者数はネット上にいくつかの異なるデータが見受けられますが、有病率は
16歳未満の人口10万人に対し10人程度、患者数は1万人以上であるようです。


若年性特発性関節炎は以下の七つのタイプに分類されます。
①全身型
②少関節炎
③リウマトイド因子陰性多関節炎
④リウマトイド因子陽性多関節炎(成人の関節リウマチに近い)
⑤乾癬性関節炎
⑥付着部炎関連関節炎
⑦未分類関節炎


発症年齢・症状および経過から考えて、三原舞依選手が罹患したのは、②もしくは③ではないか
と推測されます。④の場合、膝に負担の大きいフィギュアスケートを本格的に行うことは、おそらく
医師が許可しないでしょう。


上記分類によって治療方法は異なりますが、三原舞依選手は現在も月に一回の点滴投与を受けて
いるとのこと。この薬はアクテムラ(生物学的製剤)だと思われます。2005年以降、治療に効果的な
生物学的製剤が開発・承認されています。

若年性特発性関節炎に有効な生物学的製剤は以下の三つで、これらは関節リウマチの治療にも
用いられます。
・エタネルセプト(商品名 : エンブレル)
・アダリムマブ(商品名 : ヒュミラ)
・トシリズマブ(商品名 : アクテムラ)

エンブレルとヒミュラは皮下注射のみで、アクテムラは点滴でも皮下注射でも投与可能です。
ちなみにアクテムラは日本で開発された唯一の国産生物学的製剤です。


若年性特発性関節炎は、成人の関節リウマチとは異なり、寛解・休薬だけではなく完治も期待
できる疾患です。ただ、予後についての詳しい記述は見当たらないので、どの程度の期間(年数)
治療を続けなければならないのか定かではありません。

三原舞依選手の現在の状態を見る限り、点滴投与を続けていれば症状が悪化することはないと
思われます。フィギュアスケートがどの程度病状に影響するかわかりませんし、確固たる根拠も
ありませんが、早ければ3~5年程度で寛解・休薬に至るのではないかという気がします。

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